基礎講座|精密ポンプ技術 2-5. 脈動 背圧弁

背圧弁は、サイホン止めチャッキ弁の大型のもので、なおかつ圧力調整ができる弁です。
サイホン止めチャッキ弁はコンパクトで便利ですが、流すことのできる量に限りがあります。過剰の量を流すと、かえって大きな圧力損失(圧力の増大)となってしまいます。また、スプリングも小さいものを使用しているために、圧力設定も0.1~0.2MPaに限られます。
そこで、比較的大容量のポンプには、「背圧弁」を使用します。背圧弁は、大容量ポンプに用いるばかりでなく、少容量であっても慣性抵抗の値が0.2MPaを超えるような場合に効果的です。

 

 

 

  • 一般に背圧弁は、0.1~0.3MPaの範囲で背庄の調整が可能ですが、慣性抵抗の値と背圧弁の設定圧力の合計がポンプの最高許容圧力を超えないようにする必要があります。実際には、背圧弁が聞いた瞬間に圧力が低下しますが、弁部の圧力損失等も考慮しています。
  • 背圧弁は、オーバーフィード現象サイホン現象には有効ですが、高圧タンクの逆止弁として使わないでください。背圧弁の2次側(高圧タンク側)に専用の逆止弁を設けてください。
  • サイホン止めチャッキ弁および背圧弁は、構造上ゴミや糸屑などに非常に弱いです。それらが弁部に詰まると圧力の異常な上昇ばかりでなく、サイホン現象の防止効果がなくなってしまいます。

 

タクミナの「スムーズフローポンプ」は、ダイヤフラムポンプでありながら脈動がないため慣性抵抗の影響をほとんど受けません。オーバーフィード現象自体を回避することができます。
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