基礎講座|pH中和処理制御技術 3-2. pHの測定 指示薬を用いるもの

地中海沿岸から南半球に分布するリトマスゴケ科のコケ類を消石灰で煮出し、アンモニアを加えて発酵させると紫色をした粉末が得られます。これがリトマスという色素で、昔は酸性やアルカリ性の物質を調べるのによく使われました。
リトマスに酸を加えてpH4.5以下にするとリトマスは赤色になります。この赤色になったリトマスをpH8.3以上のアルカリ性にすると青色に変色します。このリトマスを紙にしみこませて乾かした物がリトマス試験紙です。
リトマスはあまり敏感ではないので、現在ではほとんど使われず、その代わりにpHのわずかな変化によっても敏感に変色をする合成色素が使われています。

このようにpHの変化によって変色する色素をpH指示薬といいます。
pH指示薬は、酸塩基指示薬ともいわれ、チモールブルー、クレゾールレッドなど、数多くの指示薬が開発されています。これらのpH指示薬を紙にしみこませた試験紙をpH試験紙といいます。
現在では、各種のpH指示薬の試験紙がつくられており、それらを組み合わせてpH0~14の範囲を0.2pH単位の精度で測定できるような試験紙が販売されています。

pH指示薬の変色域

 

主な指示薬のpH変色域