基礎講座|pH中和処理制御技術 2-5. pHとは? 加水分解とは・塩の水溶液の性質

加水分解とは

ここでは、塩の加水分解について簡単に説明しましょう。
塩の加水分解とは、塩が水に溶け、水の分子と反応して、酸とアルカリ(塩基)に分かれる反応のことです。

塩 + 水 → 酸 + アルカリ (塩基)

(例) Na2C03 + 2H20 → H2C03 + 2NaOH

なお、塩の加水分解反応は、中和反応の逆反応で、酸とアルカリ(塩基)が中和するときの中和反応と加水分解の反応が平衡になります。

(例) CH3COOH + NaOH ⇔ CH3COONa + H20

塩の水溶液の性質

塩の水溶液は、塩の加水分解によって生ずる酸や塩基の強弱によって、酸性やアルカリ性を示すことがあります。

(1)強酸と強塩基からなる塩

加水分解せず、電離するだけです。水溶液の性質は、塩の種類と一致します。

(例) NaCl → Na+ + Cl- (中性塩の水溶液 → 中性)

(2)強酸と弱塩基からなる塩

加水分解して強酸を生じ、水溶液は酸性をを示します。

(例) ZnCl2 + 2H20 → Zn(OH)2 (弱塩基)
                 + 2HCl (強酸)

(3)弱酸と強塩基からなる塩

加水分解して強塩基を生じ、水溶液はアルカリ性を示します。

(例) NaHCO3 + H20 → H2C03 (弱酸)
                 + NaOH (強塩基)

(4)弱酸と弱塩基からなる塩

ほぼ中性を示しますが、多くのものは水に溶けません。