注目テーマ|スムーズフローポンプ スラリーで摩耗しないスムーズフローポンプ

近年、半導体や電子部品、各種光学フィルム・機能性フィルムなどの高機能化・高品質化・小型軽量化に伴い、それらの製造プロセスで採用される機器も、より高性能・高品質な能力が要求されるようになってきています。
当社にご相談いただくお困り事の中でも、ポンプの送液不良やコンタミネーションの発生、メンテナンス頻度の多さやコスト・・・など、『スラリーによるポンプの摩耗』が原因であることが多いです。
スムーズフローポンプは、高精度かつ安定した送液で品質の安定と生産効率の改善、優れた耐摩耗性でコンタミネーションの防止やメンテナンスの手間・コストの削減など、摩耗が原因となる課題解決にお役立ちしています。
今回はスムーズフローポンプの耐摩耗性検証データをご紹介いたします。

カーボンスラリー液による摩耗性検証試験

試験概要

試験装置にて、カーボンスラリー液をスムーズフローポンプで循環運転します。

◆評価ポンプ
 スムーズフローポンプ

◆試験液
 カーボンスラリー液
 (濃度:45wt%)
 [天然球状黒鉛+超純水]

◆試験条件
 吐出圧力:0.4MPa
 運転時間:1,512時間

評価ポイント

ポンプ内で一番流速が速くなる弁座部の試験前後の寸法変化と重量変化を計測します。

試験結果

試験前後の弁座部の寸法、チャッキボールの寸法と重量のすべてにおいて変化がなく、耐摩耗性に優れていることが確認できました。
また、ダイヤフラムの試験前後の外観を確認したところ、こちらも特に目立った傷や劣化がありませんでした。

弁座の寸法変化

吐出側(L) 吐出側(R) 吸込側(L) 吸込側(R)
試験前(mm) 8.44 8.42 7.42 7.42
試験後(mm) 8.43 8.42 7.42 7.42
減少率 0.12% 0% 0% 0%

チャッキボールの寸法変化

吐出側(L) 吐出側(R) 吸込側(L) 吸込側(R)
試験前(mm) 12.710 12.720 19.050 19.050
試験後(mm) 12.700 12.710 19.050 19.050
減少率 0.08% 0.08% 0% 0.03%

チャッキボールの重量変化

吐出側(L) 吐出側(R) 吸込側(L) 吸込側(R)
試験前(g) 8.497 8.523 28.612 28.612
試験後(g) 8.494 8.522 28.608 28.609
減少率 0.04% 0.01% 0.01% 0.01%

ダイヤフラムの外観変化

CMPスラリー液による摩耗性検証試験

試験概要

試験装置にて、CMPスラリー液をスムーズフローポンプで循環運転します。

◆評価ポンプ
 スムーズフローポンプ

◆試験液
 CMPスラリー液(半導体用研磨液)
 [非結晶シリカ:12~25%/脱イオン水:74~87%]

◆試験条件
 吐出圧力:0.2MPa
 運転時間:780時間

試験結果

試験前後の弁座・チャッキボール共に重量に大きな変化がなく、研磨性の高いCMPスラリー液でも摩耗しないことが確認できました。

弁座の重量変化

吐出側(L) 吐出側(R) 吸込側(L) 吸込側(R)
試験前(g) 31.025 31.056 122.345 122.144
試験後(g) 31.017 31.05 122.34 122.14
減少率 0.03% 0.02% 0.00% 0.00%

チャッキボールの重量変化

吐出側(L) 吐出側(R) 吸込側(L) 吸込側(R)
試験前(g) 3.574 3.573 16.603 16.589
試験後(g) 3.57 3.568 16.596 16.594
減少率 0.11% 0.14% 0.04% 0.03%

試験中の送液データ

試験中に流量を計測したところ、試験期間を通じて流量は高精度に安定しており、摩耗による流量低下がありませんでした。

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