注目テーマ|スムーズフローポンプ 固形分が混じった液の移送

固形分が混じった液をポンプで移送する場合、固形分の粒径や比重、濃度などを正しく把握したうえで、それに合ったポンプを使用することが重要です。

固形分が混じった液の移送動画(スムーズフローポンプ)


固形分が混じった液の移送工程で起こりやすいトラブル

粒子を潰したり、凝集させてしまう

ポンプの内部で強いシア(せん断)の力がかかると、固形分の粒子が潰れたり、粒子同士が凝集してしまうことがあります。
「回転容積式ポンプで粉混じりの液を送ったら、ダマになってしまった」というご相談をいただくことがありますが、シアが原因であるケースが多いです。

タクミナのスムーズフローポンプは、ダイヤフラムの往復動で液を送るため、局所的なシアをかけずやさしく移送することができます。

移送の前後で液や粒子の性状に変化がないことを、実液試験で確かめることもできますので、安心して導入を進めていただけます。

粒子がポンプに噛み込む、ポンプが摩耗する

ポンプの接液部に狭い隙間があったり、シール部が噛み合う構造になっていたりする場合、固形分が噛み込んでポンプが停止したり、部品が摩耗してしまうことがあります。固形分がポンプ内をスムーズに通過できるよう、粒子径に合わせた適切なクリアランスを確保する必要があります。

容積式ポンプにおいて、クリアランスの大きさは流量精度とのトレードオフになるため、ただ広くすればよいものではありません。目標とする送液精度も達成できるよう、過不足ないクリアランス設計が必要で、ポンプメーカーの技術力・開発力が問われます。

タクミナのスムーズフローポンプは、接液部に摺動する部分が極めて少ないため、粒子の噛み込みが起こりにくい構造になっています。

さらに「流体ソリューションセンター」では、粒子径測定装置を使用して、お客様からお預かりしたサンプル液に含まれる粒子を分析し、そのデータをもとにクリアランスを調整するなど、流体の特性に合わせた最適なポンプ設計を行っています。

粒子が沈降・堆積してしまう

固形分の比重が液に対して大きい場合、ポンプ内や配管内で粒子が沈降し、送液不良の原因となることがあります。

粒子の沈降を防ぐためには、流速を上げる方法が有効です。同じ流量であれば、流路を細くすれば流速が上がりますが、そのぶん圧力損失も大きくなるため、無理が生じないよう綿密に計算して設計する必要があります。

タクミナは、流速シミュレーション実液テストなどを通して、スラリーの性質に合わせた最適なポンプ設計を行います。

また、ポンプ前後の配管についても、太さや高低差など、送液に支障を生じさせることのないようご提案させていただきます。

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