注目テーマ|スムーズフローポンプ フロー合成(フローケミストリー)を始める前に知っておきたいポンプについてのお話

フロー合成(フローケミストリー)って何?
近年、医薬中間体などの機能性化学品の製造工程で使う技術として医薬品業界などで注目を浴びている「フロー合成」。連続的に2種類以上の異なる溶液に流し、温度や滞留時間(反応時間)をコントロールしながら化学合成を行う技術方式です。大量の化学物質をタンク内等で混ぜて反応させる従来の「バッチ方式」に比べ、少量多品種を量産化しやすく、エネルギーコストを抑え、安全かつ環境にもやさしい理想的化学反応方式といわれています。1990年代後半にドイツで研究が始まり、日本でも2002年から2005年にNEDOプロジェクト(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)で研究が始まりました。
参考文献国際的な週刊科学ジャーナルネイチャー(Nature)
フロー合成(フローケミストリー)の方式
フロー合成には主に3つの方式があります。
・マイクロリアクター式(フラッシュ式)
・カラムリアクター式(固体触媒式)
・CSTR式
マイクロリアクター式(フラッシュ式)
マイクロリアクターは一辺あたり1mm以下の大きさの空間で化学反応を行う装置で、一般的なものはマイクロチャネルが使われ、物理過程を行うためのマイクロ熱交換器などの装置とともに、マイクロプロセス工学の分野で研究されています。通常はバッチ反応器(いわゆる普通のフラスコなど)でなく、フロー型反応装置を使用します。より大きなスケールで反応を行う他の装置と比べて、マイクロリアクターはエネルギー効率、反応速度、収率、安全性、スケールアップ、装置の設置箇所や対応できる反応、条件の制御能等に優位性があると見られています。
マイクロリアクターはフロー生産方式の一種ですが、医薬品合成、ファインケミカル合成、特殊な反応(光化学反応など)など、高度な制御が必要な反応に適しており、マイクロスケールの反応場を用いることで従来不可能であったことが可能になる技術として注目されています。
さらに詳しい専門的な情報はフロー・マイクロ合成研究会のホームページで公開されています。詳しくはこちら(マイクロリアクターとは)をご覧ください。
カラムリアクター式(固体触媒式)
フロー合成におけるカラムリアクター式(固体触媒式)は、連続的に反応物を供給し、生成物を得るための効果的な反応手法で、細長い円柱状の「カラム」と呼ばれる容器を使用し、固体触媒を用いることで効率的かつ安全に化学反応を行います。
カラムリアクター式(固体触媒式)は、医薬品合成、ファインケミカル合成、触媒反応など、固体触媒を用いる反応に適しています。
さらに詳しい専門的な情報はフロー精密合成コンソーシアムのホームページで公開されています。詳しくはこちら(フロー精密合成技術)をご覧ください。
CSTR式
CSTRは連続攪拌槽型反応器(Continuous Stirred-Tank Reactor)の略。フロー合成におけるCSTR式は、密閉容器を直列に配置して反応物を反応槽に連続的に供給し、連続処理を行います。反応槽内では、攪拌機によって反応物が十分に混合され、反応の均一性が保たれます。
CSTR式は、重合反応、発酵プロセス、石油化学プロセスなど、大量生産に適した反応に利用されます。
バッチ式に対するフロー合成(フローケミストリー)の優位性
バッチ式と比較してフロー合成の優位性は多々あります。
・新規物質の生産が可能
・工程数の削減
・プラントの小型化によるコストダウン
・安全
・廃棄物の低減
・省エネルギー
日本国内におけるフロー合成(フローケミストリー)の現状と展望
世界で見ると、ヨーロッパの大手製薬・化学品メーカーでは商業化が進んでおり、次いでアメリカのメガファーマと呼ばれる大手製薬業界の動きが予想されていますが、それに対して日本国内における商業化はまだまだ遅れをとっていると言っても過言ではありません。ですが、学術分野では東京大学、京都大学等の研究成果が広く知られており、世界を牽引しています。2016年にはFDAが医薬品製造プロセスの連続化をサポートする声明を発表しており、フロー合成への転換はさらに引き続き加速していくことが予想されています。
フロー合成(フローケミストリー)に関わるタクミナの取り組み
2005年前後からタクミナのスムーズフローポンプもフロー合成のマイクロリアクター式で使われるようになりました。その後、グリーン・サステイナブル・ケミストリー社会連携講座(東京大学連続フロー研究センター)、京都大学化学プロセス研究コンソーシアム、フロー・マイクロ合成研究会、岡山大学マイクロリアクターネット、フロー精密合成コンソーシアム(FlowST)、化学とマイクロナノシステム学会に参加。京都大学コンソーシアムのアニオン重合プロジェクトの論文への投稿もしており、日本におけるフロー合成の研究・発展に参画するとともに、フロー合成に最適なポンプ、流体ソリューションの開発に取り組んでいます。
参考文献タクミナも共同研究者として参加した米国のジャーナル『OPR&D』記事
フロー合成(フローケミストリー)に最適なポンプの特長
禁水性物質(水や空気中の水分などと反応して発熱、発火する危険な化学薬品)の代表ともいえるブチルリチウム(BuLi)は有機合成では大変よく使われており、使用の際は完全密閉で外気に触れることのないタクミナのスムーズフローポンプが選ばれています。スムーズフローポンプは電源以外のユーティリティーは一切使わずにブチルリチウム溶液を送液することができ、ラボ・研究開発からパイロット、商業化まで同じ構造のポンプを採用することができます。

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