基礎講座|pH中和処理制御技術 2-6. pHとは? 中和と酸・塩基の量

酸とアルカリ(塩基)がちょうど同じ当量数になるときに中和といいます。
※酸のグラム当量数=アルカリ(塩基)のグラム当量数

酸・アルカリ(塩基)の1グラム当量は当量にg単位をつけた質量をいいます。また、規定度(N)は、溶液1l中に含まれる酸やアルカリ(塩基)のグラム当量で表わします。
(例)溶液1l中にNaOHが80g(=2グラム当量)溶けているとき2規定といいます。

(1)酸の当量

1価の塩基1分子量の中和に必要な酸の量を当量といいます。

(例) 2NaOH(40×2) + H2SO4 (98) →  Na2SO4 + 2H2O

よりNaOH(40)を中和するのに要するH2S04は98/2で当量は49です。
したがって、酸の当量=酸の分子量/酸の価数(塩基度)となります。

(例) 塩酸 = 36.5   硫酸 = 98/2 = 49

(2)アルカリ(塩基)の当量

1価の酸1分子量を中和するのに必要な塩基の量を当量といいます。

(例) HCl(36.5) + KOH(56) → KCl + H20

よりHCl1分子量(36.5)を中和するのに56のKOHが必要なので、KOHの当量は56です。
したがって、アルカリ(塩基)の当量=塩基の分子/塩基の価数(酸度)となります。

(例) 水酸化ナトリウム = 40
    水酸化カルシウム = 74/2 = 37


(3)中和と酸・アルカリ(塩基)の量

酸の中に含まれるH+の数と、アルカリ(塩基)の中に含まれているOH-の数が等しくなったとき、ちょうど中和反応が完了します。1グラム当量中に含まれるH+の数とOH-の数は等しいので、酸とアルカリ(塩基)がちょうど中和するときに、酸のグラム当量数=アルカリ(塩基)のグラム当量数 となります。

中和と規定度については、N規定の酸VmlとN′規定の塩基V′mlがちょうど中和したとき、次の関係が成り立ちます。

 NV/1000   = N′V′/1000
(酸のグラム当量) (塩基のグラム当量)

したがってNV = N′V′

以上のようにして酸や塩基の量を算出することができます。