基礎講座|滅菌・殺菌 14-5. 電解酸性イオン水による殺菌効果

最近アルカリイオン水が広く普及してきました。水道水を電気分解しアルカリ水と酸性水とに分離し、それぞれ健康を促進したり、アストリンゼント効果(引き締め効果)を発揮させたりする目的で使用されています。
電解酸性イオン水製造装置は、原理的には家庭用のアルカリイオン水製造器と同じですが、酸性水の使用を主眼においていること、より酸性度を高くしている点で異なっています。
ただし、ここで生成する「酸性水」および「アルカリ水」は強電解質ですので飲用には適しません。

電解酸性イオン水の殺菌機構

微生物の多くはpH7.0~7.6を生育条件としているものが多く、これ以外のpH値ではほとんど生きていくことはできません。また酸化力と還元力が強いほど細菌類も生育が困難になります。
電解酸性イオン水は、酸性度の強さと酸化電位の高さを共存させ、殺菌効果を高めた殺菌用水なのです。

電解酸性イオン水を使用する場合のメリットとデメリット

メリット

  1. 水道に直結するだけで殺菌水ができる。
  2. 市販の食塩(塩化ナトリウム)を使用するので、原料が入手しやすく、取扱いが簡単。

デメリット

  1. 腐食性があるので材質の選定に配慮する必要がある。
    ステンレスでも腐食されるので、蛇口や配管は樹脂製および樹脂ライニングを施したものを使用する必要がある。
  2. pHを低くし過ぎると塩素ガスが発生するので要注意。
    pH3以下ではかなり高濃度の塩素ガスが発生しますので、換気を充分に行い、保護マスクなど安全対策を講じてください。
  3. 反対の極で発生するアルカリ水(このアルカリ水は強塩基なので飲用に適さない)は捨てられる場合が多く、この場合、中和処理が必要な場合がある。