基礎講座|精密ポンプ技術 2-3. 脈動 慣性抵抗

慣性抵抗・・・流れは急に止まらない → オーバーフィード現象
ここでダイヤフラムポンプの逆止弁(チャッキボール) の動きを整理しておきましょう。

吸込側チャッキボール 吐出側チャッキボール
吐出時            閉           開
吸込時            開           閉

この表から少なくともポンプが正常であれば、吐出側、吸込側が同時に開いたり閉じたりすることはないということがわかります。
ところが脈動があるために、条件によってはどちらも開いてしまうことがあります。

慣性の法則

物体には運動の状態をそのまま続けようとする性質があり、これを慣性と呼んでいます。
動いている物体は動き続けようとし、止まっている物体は停止状態を維持しようとします。液体の場合も全く同様です。
ポンプの吐出工程が終わると同時に、配管内の液体は止まるでしょうか?
慣性の法則によれば、運動の方向と逆方向に何らかの力(これを背圧といいます)を加えない限り、(ひとかたまりの)液体は止まりません。
では、止まらなければどうなるでしょうか?

 


 

 

これを、オーバーフィード現象といいます。

この現象を防止するには、何らかの力(背圧)で液体の動きを止める必要があります。その方法として、一般にサイホン止めチャッキ弁、または背圧弁を吐出側ホース(配管)の先端に設置します。

 

タクミナの「スムーズフローポンプ」は、ダイヤフラムポンプでありながら脈動がないため慣性抵抗の影響をほとんど受けません。オーバーフィード現象自体を回避することができます。
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