基礎講座|滅菌・殺菌 9. 残留塩素濃度の測定

測定方法の概要

水道をはじめ、浄化槽や学校・レジャー施殴のプール、ホテルの大浴場などで塩素殺菌が広く実施されています。
大腸菌やO-157、レジオネラ属菌などから人々を守るためにも、殺菌効果の持続-残留塩素濃度の計測・管理は欠かすことのできない存在です。
残留塩素の測定方法は、水道における測定方法が準用されています。

測定方法の一覧表

比色法 DPD(ジエチル-p-フェニレンジアミン)法
ヨウ素法 サンプル水にヨウ化カリウムを加えて着色。それを再度無色化するまでに数種の薬液を添加、加えた薬品数から濃度を測定する。多数の薬液を使用するため高価。
電流法 反応電流の有無から残留塩素濃度を算出。きわめて精度が高いが、設備が大規模になるため、主に研究施設で使われている。
吸光光度法

DPD試薬を加えたサンプル水に光を当て、濁度による光の吸収度合いから、残留塩素濃度を計測。

測定時の留意点

現在もっとも普及しているのが、手動式ではDPD法(DPD試薬を用いた比色法)、自動式では電流法(ポーラログラフ法)による残留塩素計です。
一般に残留塩素計は無試薬式のため、水質による測定値への影響が大きく、定期的な校正作業が必要になります。多くの場合、DPD法の測定値で残留塩素計を校正しますが、この2つの測定方法では残留塩素の測定対象が異なるため、測定値も異なることがあります。つまり、DPD法では残留塩素の数値があるが、残留塩素計ではゼロになることもあり注意が必要です。

DPD法(DPD法による吸光光度法を含む)

  • 測定対象は残留塩素全部ですが、試薬添加後数十秒間は遊離残留塩素と反応し(この間に測定すれば遊離残留塩素のみを測定できます)、しばらくすると結合残留塩素とも反応して遊離残留塩素と結合残留塩素(の一部)の合計値を表します。
  • 試薬添加後すぐとしばらくたった時の比色結果が違う(時間とともに濃度があがる)場合は、結合残留塩素が含まれています。
  • 試薬添加後ヨウ化カリウムを少量添加することによって、全残留塩素を測定することができます。
  • DPD試薬の添加量が不足すると、測定値が低くなりますので、説明書等に従って正しい量の試薬を添加してください。(逆に添加量が多すぎて、多少溶けずに残ってもかまいません。)

 

【DPDテスター】                          【デジタル残留塩素テスターDCT        

電流法(ポーラログラフ法)による残留塩素計

  • 測定対象は、遊離残留塩素(主に次亜塩素酸:HClO)のみです。遊離残留塩素はpH値によって、酸性域では塩素(Cl2)、弱酸性域~中性域では次亜塩素酸(HClO)、アルカリ域では次亜塩素酸イオン(ClO-)の形で存在します。したがって、pH値が一定である必要があり、逆にいえばpH値が変われば校正が必要ということです。
  • DPD法によって測定した値で校正する場合は、DPD法の測定機器の説明書に沿って遊離残留塩素だけを正確に測定し、その値を元に校正する必要があります。
  • pH値以外にもサンプル水量、金属イオンその他の条件を各機器の仕様に正しくあわせる必要があります。

【残留塩素計 RM-52PC】