基礎講座|滅菌・殺菌 10. 残留塩素濃度の自動制御方式

残留塩素濃度の自動制御方式

【流量変動】
 ●昼夜による変動 ●季節による変動 ●曜日による変動 ●時間による変動 ●河川の流水量(降水量)
 ※水槽内の水をポンプで循環させる場合、送水ポンプの送水量などは「変動なし」となります。

【水質変動】
 ●濁度 ●pH値 ●硬度 ●鉄、マンガン含有量 ●塩素消費量(有機物、アンモニア成分、硝酸性窒素)
 ※水温変動は極端でない限り「変動なし」となります。
 ※残留塩素計は、一般的に水質変動に敏感です。
  安定した測定・制御のため使用条件を守り必要に応じて校正する必要があります。


◆揚水ポンプとの連動によるインターロック注入方式

流量変動:無
水質変動:無

塩素殺菌の最も基本的な方法で、揚水ポンプに連動して定量ポンプを運転させます。
主に良質な地下水の送水など、原水量・水質が一定の場合の殺菌処理に適しています。


◆残留塩素計の上下限信号によるON・OFF制御方式

流量変動:無
水質変動:有

二次殺菌に多く用いられる方式で、残留塩素計の値が設定値より低い場合のみ定量ポンプをONにします。主に槽内循環や配水池からの送水、高架水槽からの配水過程での殺菌処理に適しています。プール、浴槽水の殺菌にもよく使われます。


◆残留塩素計による多段時分割制御方式

流量変動:無
水質変動:有

一定周期の間に、定量ポンプをどれだけの時間、運転するかを制御します。測定値が目標値を大きく下回った場合は、長い時間定量ポンプを運転させ、目標値に近い場合は、短時間だけ定量ポンプを運転させます。
受水槽、プール、浴槽などの水槽内の水の殺菌に使用できます。


◆流量計による流量比例制御方式

流量変動:有
水質変動:無

流量計によって原水量を測定し、その値により定量ポンプを比例制御させる方式です。
主に良質な地下水の直接配水や、水質変化が少なくかつ原水流量が変動する場合などに適しています。

 

◆残留塩素計によるフィードバック比例制御方式

流量変動:無
水質変動:有

注入後の残留塩素濃度を測定し、残留塩素濃度が設定された適正値になるよう注入量を制御する方式です。
主に原水流量の変動がなく、水質変動がある場合に適しています。


◆流量計・残留塩素計によるカスケード制御方式

流量変動:有
水質変動:有

流量計からの信号と残留塩素の信号を結合(カスケード)させ、残留塩素濃度が適正値を維持するよう定量ポンプを制御する方式で、流量比例制御とフィードパック比例制御の2つの方式を組み合わせたものです。
主に原水量に変動があり、かつ水質変動もある場合に用います。

 

※図の残留塩素計は、流通型センサータイプの場合です。

 

制御システムのフローシート

水道の浄水処理における殺菌システム

河川水

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井水(1)

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井水(2)

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水道の配水池おける殺菌システム

配水池(1)

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配水池(2)

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配水池(3)

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受水槽/高架水槽における二次殺菌システム

受水槽(1)

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受水槽(2)

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高架水槽(3)

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膜ろ過浄水/工業用水高度処理システム

膜ろ過浄水処理

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飲料工場用塩素濃度管理システム

パトライザー用塩素濃度管理

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塩素水の製造・供給

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プール/循環式浴槽向けシステム

プール

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循環式浴槽

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脱塩素/その他の殺菌システム

脱塩素処理

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実験動物用飲料水(GLP)の殺菌システム

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