基礎講座|精密ポンプ技術 8-4. 液の温度の急変によるガスロック

今までは、液の温度が一定であるものとして話を進めてきました。
しかし実際には、希ではありますが、タンク中の液とポンプ周りの温度差がかなり大きい現場がみられます。特に冷たい液を暖かい所に移送するプロセスでは要注意です。こんなところにもポンプに悪影響を及ぼす原因が隠されているのです。
気体には、圧力が高ければ高いほど液体中に多く溶け込む性質があることについては何度も述べましたが、実はもう一つの重要な性質があるのです。
それは、温度が低ければ低いほど気体は液体中に多く溶け込むということです。逆に言えば、気体は温度が高くなると液体に泡として放出されることになります。
たとえば、冬季に冷たい水を移送することについて考えてみます。

 

 

タンク中の冷たい水には、ある量の空気が溶け込んでいます。この水が吸込側のホースを通ってポンプヘッドに入ってくるのですが、このときに問題が発生します。

熱には、高温側から低温側に移動するという性質があります。これは熱力学上の不変原理です。
この原理によれば、ポンプ周りの暖かい空気からホース内の冷たい水に向かって熱が移動することになり、ホース内の水温が上昇します。
その結果、水の中に溶けていた空気が泡となって出てきます。そしてポンプヘッド内部で発生する負圧によって、更に泡の発生が促進されることになります。これが、ガスロックやキャビテーションの原因となることは明らかですので、何等かの対策を講じなければなりません。
タンク内の冷水の温度上昇は、水量が多く(熱容量が大きい)、しかも外気との接触面積が小さいので、ホース内の水温の上昇に比べてかなり遅れます。
一般に、タンクやポンプそして配管を断熱材で覆って水温の差をできるだけ小さくする処置がとられます。よく屋外設置の場合などで保温(断熱)材が使用されていますが、必ずしも凍結防止だけが目的ではないのです。

このように、液が凍結するほど温度が下がらない場合でも、定量性を維持するために保温(断熱)材が必要なこともあります。

ガスロックについては、注目テーマ(その他)「ガスロックとは」でも取り上げています。ガスロックを防止するタクミナの次亜塩素酸ナトリウム注入専用ポンプの動画<エアを排出する実映像>もアップしていますので、あわせてご覧ください。

 

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